づれづれなるがっちょ

よしなしごと

夕暮れは青春の季節

 

夕暮れに光る笑顔、5人の汗。High×Jokerのメンバーが笑い合うとき、何故かいつもそこには夕暮れがある気がします。

  

さて、突然ではありますが、アイドルマスターsideM第10話の話をさせてください。夕暮れに輝くHigh×Jokerは、ステージに上がれば夜空に輝く星座になる。そんなロマンチックなアイドルの話を少しだけさせてください。

 

 

 

思えばアニメの中でHigh×Jokerが屋外にいる時には常に夕暮れ時だった気がします。当たり前ではありますが、高校生である彼らは昼間、学校の中にあって外に出ることはない。だから彼らが外で自由に動き回る時分は夕暮れ時になるわけです。

夕暮れは昼と夜の境目、過渡期です。昼でも夜でもない。不安定な時間帯かもしれません。それが彼らに与えられた時間なのです。 

High×Jokerというユニット自体も、仲が良いように見えて、噛み合っているようにみえて実はそうでもないというところがミソだと思います。彼らはまだまだ不安定です。それは彼らお互いの不理解、未熟さ、考えの至らなさなどからくるものでしょう。夕暮れとHigh×Jokerの親和性の高さはそういった不安定な感覚からくるのではないかとわたしは考えています。

第10話で彼らが衝突したのは、もちろん発端は四季の軽率な行動からでしたが、その根本はやはり異質な他人と自分との間の衝突でしょう。High×Jokerはまだまだ未熟です。個人個人もそれぞれに胸に何かを抱えています。昼と夜、どちらにもなれない時間の中で、答えが出せずに悩むこともあるでしょう。間違えてしまうことだってある。10話の旬は自分にも相手にも答えが出せずに、苛立ってしまっていました。

High×Jokerはそういった不確定要素からは永遠に離れられない集団なのだろうと思います。それが宿命のようなものです。「青春」を背負っているということはつまりそういうことなのです。High×Jokerは夕暮れが夜に移ろうように、常にゆらゆら変化するユニットです。それが時に悪い方向へ向かうこともあるかもしれません。 

しかし、だからこそHigh×Jokerは「オールマイティ」なのです。 

High×Jokerが不確定だから、そこに秘める可能性こそが最高、であるわけです。High×Jokerがぶつかって起こす化学反応のようなものが最高に眩しい。それは5人にしか起こさない化学反応なのです。旬には夏来という大切な幼馴染がいます。でも、夏来が居ただけでは前には進めませんでした。それは夏来も同じことです。旬は隼人に手を引かれ、四季に掻き回されて、夏来に支えられて春名に見守られて、旬は光の中へと足を踏み出すことができました。不安定だからこそ起こせる変化が、High×Jokerの持ち味なのだと改めて実感しました。 

そして、High×Jokerがステージに立つのは夕暮れが夜に変わるとき。夜になればあたりは暗くなって、光を放つものはなくなります。だからこそ、High×Jokerは自身の輝きを放つのです。5つの星が自分を燃やして輝いて、それがきっと星座になる。四季が旬にハイパーアゲアゲボーカルにしてもらった時に、四季もまた5人を繋ぐ最後の星になることができましたね。夜が彼らをアイドル=スターに変えてくれる。あのステージに立つ彼らは間違いなく、カシオペア座でした。

夜空を煌めく星のように、彼らはこれからも色とりどりに輝くことでしょう。高く飛ぶことに限界なんてありませんから。これからもそんなHigh×Jokerを見守っていきたいと心から思います。